2002. 7. 6 シンポジウム「仏教・NGO・市民社会-現代における慈悲の社会化」
■シンポジウム「仏教・NGO・市民社会-現代における慈悲の社会化」■ 2002.7.6 於 東京・芝 浄土宗大本山増上寺大殿地下ホール
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開催趣旨
私たちは、果たしてともに生きることができるのであろうか。
2001年9月11日、グロ-バライゼーションと経済的繁栄の象徴であったニューヨーク世界貿易センタービルが同時多発テロによって崩壊した悲劇は全世界の人々に大きな衝撃を与えた 。
21世紀という新しい世紀を迎えた私たちであるが、民族や宗教紛争は絶えることがなく、飽くなき経済発展の追求は環境破壊を引き起こし、持てる者と持たざる者の格差を一層拡大することとなっている。
今こそ私たちは、地球社会のあり方を問直すべき時であろう。人と人、人と自然が共存してゆける道を。
タイやスリランカ、カンボジア等のアジアの仏教国において、仏教の智慧に基づいた草の根の人々の動きが注目され始めている。内発的な開発・発展の動きである。
また一方、日本においても仏教思想に根ざした国際協力の動きが広まりつつある。今回のシンポジウムを通して、参加者の皆さんとともに、アジアの智慧である仏教による共生社会の実現-慈悲の社会化-について考えてゆきたい。
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シンポジウム概要
基調発題
- パースカトー寺住職 プラ・パイサン・ウィサーロー
- 早稲田大学経済学部教授 西川 潤
パネル・ディスカッション
- コーディネーター 野口 親一(庭野平和財団、事務局長)
- パネリスト
伊藤 佳通(仏教救援センター、事務局長)
枝木 美香(アーユス仏教国際協力ネットワーク)
手束 耕治(シャンティ国際ボランティア会、事務局長)
根本 昌廣(立正佼成会一食平和基金運営委員会、事務局長)
NGO(非政府機関)間の相互理解と連携を目指す「国際協力を促進する仏教者ネットワーク」が、庭野平和財団の支援のもと、本格的な設立準備を進めています。7月6日には、東京都港区の浄土宗大本山・増上寺で設立に向けてのシンポジウムが開催され、NGOの役割と今後の海外支援について討議されました。
同ネットワークは、仏教思想に根ざした国際的なNGO活動の充実を図り、日本国内各団体の相互交流と協力体制の確立を目指しています。タイやスリランカ、カンボジアなどアジア地域では、これまで日本の仏教団体が個別にNGOを立ち上げ、現地での活動を展開してきました。
そうした現場に携わる仏教者が互いに交流を図り、協働意識を持って諸問題に取り組めるよう、団体間のネットワーク作りが以前から模索されていました。そこで2000年から、庭野平和財団より支援を受け、現在、設立に向けてシャンティ国際ボランティア会(SVA)を中心に、一食平和基金(立正佼成会)、ありがとう基金(妙智會教団)などから代表者が集まり、準備を進めています。
2002年6日に、東京・港区の増上寺で『仏教・NGO・市民社会―現代における慈悲の社会化』をテーマに設立に向けてのシンポジウムが開催されました。
はじめにタイの上座部仏教僧侶プラ・パイサン・ウィサーロー師が基調発題を行い、農村の経済支援や環境保護を行う「開発僧」の活動を紹介。物質的な支援と共に、仏教の教えを生かした〝心の支援〟の必要性を示しました。
同じく基調発題に立った西川潤・早稲田大学政治経済学部教授は、利益偏重の経済開発を批判。「慈悲」「中道」といった仏教の真理に基づく社会変革を提唱しました。
続くパネル・ディスカッションでは、野口親一・庭野平和財団事務局長が進行役を務め、伊藤佳通・仏教救援センター理事長、枝木美香・アーユス仏教国際協力ネットワーク・プログラム・オフィサー、手束耕治・シャンティ国際ボランティア会事務局長、根本昌廣・一食平和基金運営委員会事務局長の各氏が、同ネットワークが担うべき今後の役割について積極的に意見を交換しました。
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基調発題者紹介
プラパイサン・ウィサーロー(Ven. Phra Phaisan Visalo)
/パースカトー寺(Wat Pah Sukato)住職
1957年バンコック生まれ。高校時代より政治活動に参加。ブッダダーサ比丘、プラパユット師、およびスーラック・シバラクサ氏の影響を受け、友人と非暴力を訴える活動を行う。1976年の左右政治イデオロギーの衝突後の混乱時に逮捕され、収監されたが、保釈される。1980年タマサート大学卒業。その後、政治的な弾圧の時代が続くが、人権問題に取り組む“宗教と社会”というNGOグループを創立し、言論および政治活動を行う。言論・政治活動に行き詰まり、1983年出家し、チャイヤプム県の村にある森の瞑想センター、パースカトー寺での生活を選ぶ。この寺は、瞑想の修行で著名であり、政治活動家が、心の平安を求めにくる所としても知られている。現在、仏教を中心理念とした非暴力・宗教対話を行ういくつかのグループの活動を推進し、さらには共同体の組織・強化のための“セキヤタム”という比丘・比丘尼グループの活動の中心的存在である。著書に、『Green Horizon: Emergence of Green Culture and Paradigm(1990)』。また論文多数。
西川 潤(にしかわ じゅん)/早稲田大学政治経済学部教授
1936年台湾台北生まれ。早稲田大学、パリ大学大学院で学ぶ。専門は経済発展論。この間、国連大学の内発的発展プロジェクトを担当すると共に、メキシコ大学院大学、北京大学、チュラロンコーン大学、パリ第一大学、フランス社会科学高等研究院等で客員教授を務める。国内では、国際経済学会、日本環境会議等の理事として学会活動を行う一方、外務省ODA研究会、総理府男女共同参画連帯会議並びに社会発展NGOフォーラムの代表世話人等を務める。著書に、『人間のための経済学―開発と貧困を考える』(国際開発研究・大来賞受賞)『社会開発―経済成長から人間中心型発展へ』など多数。
投稿者 bnn : 11:59